月にも浪にも放れない

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上級救命講習:心肺蘇生法が使えるようになった!

 私は、趣味にしても研究活動にしても野外で活動することが多く、私自身が怪我をしたり、何かしらの事故の現場に居合わせたりする可能性が高い。では、そういった状況になったとき、私は何ができるだろうか。止血法や人工呼吸、心臓マッサージなど聞きかじった情報はたくさんあるが、実際に実行できるほど詳細は知らないことも多い。
 これではいけない。常時に実行できないことが緊急時にできるわけがない。
 ということで、福岡市消防局が定期的に開催している救命講習を受けることにした。調べてみると、福岡市消防局は、救命講習として以下のコースを実施している。
・応急手当Web講習(1時間)
・救命入門コース(90分)
・普通救命講習I(3時間)
・普通救命講習II(4時間)
・普通救命講習III(3時間)
・上級救命講習(8時間)
・応急手当普及員講習(3日間)
 これらの中で、都合が合うのは上級救命講習だけだった。初っ端、「うわ、8時間か〜」という感想が出た。しかし、すぐに「頻繁に受けるわけでなし、せっかくなので気合を入れて受けてみよう」と考え直した。
 さて、今日、実際に福岡市消防局で受講してきた。教えてもらったことは以下の通り。
・心肺蘇生法(胸骨圧迫・人工呼吸)
AEDの使い方
・傷病者の症状に応じた体位
・傷病者の保温・冷却法
・傷病者の搬送方法
・止血法・三角巾の使い方
・異物を飲み込んだ時の除去方法
・小児・乳児への対応
 これらの中で、心肺蘇生法と異物を飲み込んだ時の除去方法、小児・乳児への対応の3点は、私が知りたいと思っていた内容だった。胸骨圧迫のリズム(1分間に100-120回)や人工呼吸との比率(胸骨圧迫:人工呼吸 = 30:2)であること、異物を吐かせるための腹部突き上げ法について知れたことは大きな学びだった。特に、胸骨圧迫は、今日、私自身で300回以上行ったので、しばらくはそのリズムが体に残っていると思う。それ以外の項目についても初めて知ることや自身の知識の再確認となり、良い機会だった。
 ただ、実際の現場で私がめちゃくちゃ役に立てる自信はない。今日の講習で重きが置かれていた、心肺蘇生法とAEDを用いるべき場面に遭遇すれば、倒れている人を見つけたらすぐに対応できると思う。同様に、頭・四肢の出血、腕の骨折、嘔吐、異物を喉に詰まらせている人に対してもある程度の対応ができると思う。しかし、傷病は、これだけではない。実際の現場は、模擬現場ほど単純ではない。切り傷・骨折は、程度・部位による差がある。また、体の一部を切断してしまった場合や火傷の現場については教えてもらっていない。つまり、上級救命講習と言えど、たった8時間の講習なので、命が関わる全ての場合について学べたわけではない。
 今回の上級救命講習で学んだことは多かったが、本講習で説明されたピンポイントの状況に対応できるようになっただけで、これで満足してはいけない。詳細な応急処置や命の危険が伴わない傷病の応急処置は、自分で調べ、学ぶ必要がある。これからは、定期的に講習に通い、心肺蘇生法などの応急処置を見に染み込ませていこうと思う。そして、万が一の場合には自分の身を守り、他の人の役に立てたら、と思う。
 
 とはいえ、自分自身については、これらの応急処置が必要な事態にならないよう予防策を練るようにするのが第一ですね。