月にも浪にも放れない

植物を観察している大学院生のフリースペース

iMacでWacom oneを使うために悪戦苦闘した件

 新型コロナウイルスの感染拡大予防のために様々な教育機関でオンライン講義が始まりつつある。この流れは、私がバイトでお世話になっている専門学校にも及んでいて、どうにかオンラインでやってほしいとの連絡があった。

 私の担当するクラスは、通常、パワーポントのスライドを見てもらいながら私がぺラペラと話す方式である。そのため、ZoomやMicrosoft teamsなど様々なオンライン会議用ソフトに対応することができる。ただ、私はこれらのスライドをホワイトボードに投影して、スライド上に落書きをしながら「これがこうで...」といった説明をよくする。この方式をオンライン講義も使いたい。通常のパワーポイントのスライドショーでもマウスを使って発表中のスライドに書き込みをすることはできるのだが、文字を書くのはなかなかうまくいかない。そこで、Wacomの液晶タブレットデュアルディスプレイとして使ってみようと思いついた。ちょうど先日、デジタルな絵を描くことにはまり、iPad miniで絵を効率よく描き続けることの難しさを思い知ったところだったので、お絵かき専用の液晶タブレットがあったら嬉しくてたまらないところ。

 思い立ったが吉日。Wacomの公式HPを見てみると、iPadの大きいサイズを買うよりも断然安いモデルがたくさんある。私はWacom初心者なので、とりあえず2019年に発売されたエントリーモデルのWacom Oneを購入してみた。

 さて、早速届いた。これが地獄の始まりである。元来、WacomWindowsと相性が良いもので、apple製品と繋ぐことは推奨されていない。とはいえ、Wacomの公式HPにWacom Oneは、最新のmacOS Catalinaに対応していると書いてあるので、いけるっしょ、と軽く考えていた。

 Wacom Oneを意気揚々とiMacと接続し、最新のタブレットドライバー(6.3.39-1)をインストールした。その結果、タッチペンは反応するのに、液晶が表示されなかった。ただのタッチパネル状態である。あら、なんかうまくいかなかったんだな、と思いながら、ドライバーをアンインストール&再インストール。HDMIやUSBを繋ぎ直す。でも、状況は変わらない。

 試しにネットで「Catalina Wacom」と検索すると出るわ出るわ、エラー解決を試みた先人たちのメモの山。これらの中から信用できそうな方策を参考にしてみたが、私の目の前のiMacのエラーは解決しない。

 私の知識では追いつけない!とお手上げになったところで召喚したのは、やたらとパソコン関連に詳しい父。夜中に電話をかけてみると、向こうは向こうで何かしらのソフトウェアと戦っていた。状況を説明し、どうしたら良いかな、と尋ねると提案されたのは、macOSのダウングレード。

 この提案で思い出したが、最新のCatalinaにアップグレードしたのは、つい2週間前だった。2週間前に、在宅ワークで少し時間に余裕があるうちにOSをアップグレードしてやろ、なんて考えたのだった。2週間前の私がもう少しこらえておいてくれれば、、、後悔先に立たず。父の提案通り、macOS Mojaveへのダウングレードを試みることにした。幸い、2週間前のMojaveのときのシステム&データはTimemachineにばっちり残っていたので、システム消去(初期化)してもすぐに2週間前の状態まで戻ることができる。

 ということで、夜中にシステム消去して、2週間前の状態への復元をスタートした。iMacがカタカタと頑張ってくれる中、眠りにつき、朝起きてみれば、Mojave砂漠の画面が。

 ハローMojave、2週間ぶりだね。

 気を取り直して、Wacomタブレットドライバーをインストールした。すると、なんということか。エラー症状が何も変わっていないではないか。

 ええーーー・・・

 としか言えなかった。仕方がないので、またドライバーをアンインストール&再インストールと、HDMIやUSBの繋ぎ直しを繰り返す。やっぱり改善しない。

 macOSをダウングレードしたんだからタブレットドライバーもダウングレードしてみるか・・・

 とダメ元で、3つ前のバージョンまでアンインストール&再インストールと繰り返した。でも、タッチペンは反応するのに、液晶が表示されない。3つ前のバージョンに至ってはタブレット認識すらしてくれなかった。またもやお手上げかな、と思いながら、ドライバー(6.3.38-3)を再インストールした状態で、ぼーとしていた。

 これ本当に使えないんだとしたら、ただのタッチパネルとして使うことになるのかな。無駄じゃん。うーーーん・・・

 こんなことを考えていたら、パッと液晶がついた。

 「えっ」

 思わず声が出た。嬉しいけど、意図して解決できた訳ではなかったので、何が原因か分からないまま。でもいいや。気づけば、この問題に取り組んで5日目だった。もういいや。次にWacomを買うときは、Windowsを買ってからにしよう。

 ということで、やっとオンライン講義のシミュレーションができるようになったのだった。ちゃんと考えていた通りの方法で使えたので良かった。